
寺田ガーデン、デイケアは、それぞれのお身体の状態に合わせ、4つ(予防、リハビリ特化、重度医療、脳活性)のフロアに分かれ、特色を持って日々過ごして頂いております。
親和ハンドベルクラブは、予防フロアの取り組みとして昨年の秋より始動しました。
この取り組みのきっかけになった言葉が、あるケアマネージャーの一言でした。「何か特性があれば、もっと利用者様に説明ができるんだけど・・・」
予防フロアだからこそできることは何か、いろいろあるなかで一つ頭に浮かんだのが「ハンドベル」でした。月に1回、レクリエーションの時間を使って行っていましたので、とっかかりはあります。しかし、ただやるだけではおもしろくありません。しかも、ハンドベルもお遊びでならせる程度の音域が少ないベルしかありませんでした。
そこで、目標を「ガーデン祭でのハンドベル演奏会」と決め、必ず‘これぞ、寺田ガーデン’と、唸らせる程のクラブを作りますので!と、上司に掛け合い、23音のハンドベルを購入してもらいました。
利用者様の反応は・・・
ハンドベルを楽しみにしておられる方が、数名おられました。新しいベルで、音域の広い曲が演奏できる事を喜んでおられるようでしたが、その他の方は、半信半疑の様でした。
見た目、ハンドベルは振るだけですので、簡単そうに見えるとおもいます。しかし、リズムに乗っていても、曲の途中に出てくる音だけをならすのは凄く難しいです。
やはり、高齢者にはこれ以上のレベルを求めるのは難しいのでは・・・と迷いました。
しかし、1曲のみ(見上げてごらん夜の星を)の集中的な練習と、ガーデン祭での発表という目標により、次第に利用者様の目つき、言動に変化がみられるようになりました。
「本番と同じようにやってみたら?」
「もっと、みんなに聞こえるように大きな音を出さないと・・」
など、クラブの仲間意識にも拍車がかかりました。
音が小さい方、テンポがずれる方などとまとまりがなかった曲でしたが、次第に1つの曲となっていくのが、手にとるように分かりました。本当に素晴らしい方々、素晴らしいクラブだと自負しております。
ガーデン祭では、沢山の方に見に来て頂けました。メンバーの方々は、とても緊張されて物静かな面持ちで始まりました。演奏前の歌では、客席の方と一緒に歌を歌いました。その時、あの空間だけが一つになったと感じられるほどの大合唱となり、クラブのメンバーの方も、大変勇気づけられた事と思います。
そして、演奏に入りました。いつものように素晴らしい演奏になりました。
発表会は、大成功に終わり、家族の方々、ケアマネージャーの方々より沢山の激励を受けました。
利用者様は、この年になって発表会を経験し、緊張感が得られる事に喜びを感じていると発表され、今まで見たことのない良い表情をしておられ、感激いたしました。
発表会が励みとなり、やりがいとなって更なる高みを胸に秘めて、今後のクラブ活動に生かしていけると確信しております。
コメントをお書きください